私は昔インドに住んでいて、軽くベジタリアン生活をしていたことがあります。インドのベジタリアンはとても一般的で、どこのレストランに行ってもベジタリアン料理も、ノンべジタリアン(肉魚ある)料理もあり、どちらも選べるようになっています。
そんなインド人のタンパク源は、豆。ダールという豆カレーを毎日食しており、主なタンパク源はこちらから摂取している感じです。
そんな国で元気に生活していた経験もあり、
「タンパク質は豆からでも充分!ベジタリアンでも問題ない!」という意識を持っていた私は、肉や魚を日常的に食べなくなりました。
すると何が起こったか?なんと日本に帰国して受けた健康診断で私は
タンパク質が不足していて体が飢餓状態にある
という診断結果を受けました。
この記事では
- ベジタリアンとビーガンの違い
- インドでのベジタリアン寄りの生活
- 帰国してからの食生活について
- 健康診断の結果は栄養不足(タンパク質不足)
- 肉魚、もりもり食べるようになったら体も心も元気に
- ベジタリアンでも妊娠すると医者に卵を進められる
- 豆でタンパク質は本当に補えるのか?
について綴ります。
ベジタリアンとビーガンの違い
ベジタリアンとは、簡単に言えばお肉、魚、卵など動物性食品を食べない人です。
ちなみにビーガンとは更に厳格で「完全菜食主義者」のこと、乳製品やはちみつも食しません。
ビーガンはベジタリアンより、更に厳格です。
インドでのベジタリアン寄りの生活について
そして、私が住んでいた首都ニューデリーは内陸で、魚がなかなか手に入らない土地なので必然的に魚はほとんど食べなくなりました。お肉は売っているけど鶏肉がメイン。豚と牛は宗教の都合上手に入りにくく(インドに多いヒンドゥー教徒は牛を食さない、ムスリムは豚肉を食さない)、特定のお店に行けば売っていますが、なかなかすぐには手に入りません。
そして、ヨガをはじめ(ヨガの教えは基本ベジタリアン)、私はインド料理が好きな事もありどんどんベジタリアン寄りの生活になっていきました。
お肉は外食の時だけ食べる感じで、卵もほとんど食べていません(お菓子に入っているとか、そういうのは食べていました)。
それでもとても元気なのであまりタンパク質については考えておらず、豆を食しているので問題ないだろう、野菜にもタンパク質が含まれているものがあると思い、特にベジタリアン寄りの生活をしていて不自由は感じませんでした。
余談ですが、ベジタリアンだとさぞ健康的な生活で太らないだろうと思いがちなのですが、インド人に関してはベジタリアンが多くてもとてもふくよかな人が沢山います。
おそらくカレーに含まれる油や、チャイ(インドの激甘のお茶)などを日常的に飲んでいるせいで、「ベジタリアン=細い」みたいなイメージはありません。
帰国してからの食生活について
動物性タンパク質のない生活も長くなり(インド在住7年)、とくに肉が食べたい!という欲求も以前ほどはなくなり、帰国してからもそんなに肉魚を食すことはありませんでした。結婚してから夫には肉魚料理を作っていましたが、自分は食べずに終わったり。卵は、特に気にしていませんでしたが家ではほとんど買うことはなく、外食の時に食べるとか、そういう感じです。
そのかわり、納豆、豆腐、豆などは積極的に取っていました。
健康診断の結果は栄養不足(タンパク質不足!)
その後、妊娠出産を経て、少し育児に落ち着いた産後1年半頃に健康診断を受けに行きました。そこで衝撃の結果が。
空腹時血糖52mg
この数字はかなりやばくて、空腹時血糖が50mgを下回ると中枢神経がエネルギー(糖)不足となり、痙攣がおこったりひどい時は昏睡状態に陥ったりするそうです。
よくこの状態で生きていたなーと自分でも関心なのですが、育児が忙しすぎて自分の異常をきちんと意識していませんでした。
精密検査を受け、わかったのが栄養失調である事。なかでも、タンパク質のストックが体になく、飢餓状態。
栄養士さんとの面談で、「しっかり肉魚豆を食べて様子を見て下さい」と言われました。
私にとってはあまりにも衝撃の結果でした。何故なら、毎日納豆や豆製品を食べていたにも関わらず、たんぱく質不足と数字に出たからです。
私の価値観ががらりと変わった瞬間です。今までベジタリアンの多いインドで生活をし、ヨガの教えであるベジタリアンを意識して生活していてそれで問題はないと思っていたのに、すべてが覆されました。
当時授乳中だったので、もしかして普通の状態よりも栄養失調になりやすい状態ではあったかもしれません。それにしても、です。インド人やベジタリアンは、ベジタリアンの食生活のまま授乳もしているはずです。
そこで大きな疑問が産まれました。
本当に動物性たんぱく質なくして人間は健康に生きていられるのだろうか?
肉魚もりもり食べるようになったら体も心も元気に
その後、私は肉と魚をかなり積極的に食すようになりました。今までとは比べ物にならないレベルで毎日意識的に動物性たんぱく質を摂取しました。毎日卵も食べました。
その結果、家計の食費が爆上がりしました。笑 単純に2倍に跳ね上がったと思います。動物性たんぱく質って、そう考えると高級品ですね。
そして体にも沢山の変化がありました
- 疲れにくくなった
- めまいがしなくなった
- 朝スッキリ起きられるようになった
- 心まで元気になった
今まで正直調子が悪い、と認識すらしていなかった部分に大きな変化がありました。朝起きられないとか、ただの育児疲れだと思っていたのです。
それが一変、動物性たんぱく質を意識して摂取するようになって、朝スッキリ起きられるようになったのです。この大きな変化にはとても驚愕しました。
結果、この食生活を続けるにつれて体も心にもあふれる体力を感じるようになりました。
そしてその2ヶ月後くらいに受けた再々検査でも、とても良好な栄養状態にあるとの結果に。
私は自分の体の経験を通して、私の体には動物性たんぱく質が必要なんだと知ることになりました。その後は、積極的に肉魚卵を食べる生活が定番になりました。
ベジタリアンでも妊娠すると医者に卵を進められる
インドに住んでいた時、妊娠検診で医者に「卵を食べなさい」と言われたと悩んでいるインド人の同僚がいました。同僚は、
と言ってかなり辛そうで(産まれてから一度も卵を食べたことが無い)、かなり葛藤していました。
と励ましたりしていたのですが、それでもなかなか割り切ることが出来ず、長い葛藤の末、かなり頑張って1口、2口、なんとか食べられるようになりました。
私はこの同僚のケースしか知らないので、インドですべてのベジタリアンの妊婦さんが卵を進められているのかはわかりませんが、妊婦さんの体の状態によっては進められることもあるのかな?と思います。
更に、厳格なビーガンで有名な女優のナタリーポートマンさんは、妊娠中は卵を食べる生活に戻した(ゆるいベジタリアン)、というのも有名な話です。産後はまたビーガン生活に戻っているようです。
それだけ、動物性たんぱく質は体に必要な栄養源であるという事です。
ベジタリアンなのにに太る人はなぜなのか?
前記しておりますが、インド人の場合は油や砂糖のとりすぎて太りますが、そこまで油や砂糖を接種しているわけではないのに太る場合、それは代謝不足だと思います。
私は動物性タンパク質をしっかり食してバランスのよい食事を心がけたらみるみる脂肪が落ちダイエットにも成功しました。
その時の記事がこちら↓
代謝不足は私の推測ではありますが、今までの体調不良、健康診断での栄養不足診断、すべて総合して考えてそれしか考えられません。ほぼ肉魚なし生活をしていた時はダイエットにも苦戦していました。
豆でたんぱく質は本当に補えるのか?
正直、これの答えは出ないのですが、インドでの生活や実際ベジタリアン生活をしている友人や世界の多くの人を見て感じることは、
例えば何世代にもわたってベジタリアン生活をしている家系では、体が動物性たんぱく質を摂取しなくても大丈夫なようになっているかもしれません(ただの私の考えです)。
あと、人によって体も必要な栄養素も変わってくると思うので(基本は一緒だと思いますが)、ベジタリアン生活は合う、合わないもあると思います。
また、住んでいる地域にもよると思います。野菜も、住んでいる地域によって含まれる栄養素の割合も変わってきます。どのくらい太陽を浴びているのか、どういう土で育っているのか、その地域の風土、など複合的な要素が絡まって栄養素が決まってくるのでその違いもあるかもしれません。
昔は動物を狩って食していたくらいですし、動物性タンパク質は人間にとって必要な栄養素なんじゃないか?と私は最近個人的に思っています。
でも、ヨガの教えだとベジタリアンであることが聖典にも書かれているし、決してベジタリアンだと栄養素が足りなくなる、とも一概には言えないですよね。
実際それで元気に生活している人はたくさんいます。
ただ、今回感じたのは、私にはベジタリアン生活はあわない、という事です。
気になるのであれば、自分の体で実験してみるのが一番だと思います。逆に肉魚を減らして体の調子が良くなった話も沢山聞きます(肉魚は紹介に負担がかかるのは事実ですし)。
ずばり豆だけでたんぱく質は足りるのか!?と答えが気になるところですが、私の現時点での答えは
NOです。でも、「足りてる人もいるのが事実」、であるのでなんとも言えません!
コメント